「また足がつった…」と、こむら返りを繰り返していませんか?
突然、激しい痛みと筋肉の硬直に襲われる「こむら返り」。
すぐに治まればいいのですが、なかなか痛みが引かなかったり、数日間違和感が残ったりすることもあります。
最近我が家でも、子どもがスイミング中にこむら返りを起こし、その後数日間、「歩くときに足が痛い。」と言っていることがありました。
就寝中に何度もこむら返りが起こると、痛みで目が覚めてしまい、しっかり眠れなくて寝不足につながることもあります。
できることならこむら返りを起こさず快適に過ごしたいものです。
今回は、こむら返りの原因と、ご自身でできる対処法や予防法についてご紹介します。
突然、激しい痛みとともに筋肉が硬直し、そのまま動かせなくなるこむら返り。
普段は自分の意志で動かすことができる手や足を動かす筋肉「骨格筋」ですが、
なんらかの理由で、自分の意志とは関係なく「けいれん」を起こしてしまうことがあります。
強く収縮した筋肉がそのままロックされることを「けいれん」といい、
それが痛みを伴ったまま動かせなくなってしまう状態を「つる」ともいいます。
医学用語では「有痛性筋けいれん」と呼びます。
筋けいれんは、全身の筋肉に起こりますが、ふくらはぎによく起こるので「こむら返り」といわれています。こむら返りは、正式には「腓腹筋けいれん」といいます。
①「血行不良」と「冷え」
②低体温
③筋肉疲労
④ミネラルバランスの乱れ
①血のめぐりに異常が起こると代謝が滞り、熱が生まれにくくなって体が冷えます。
身体が冷えると筋肉が緊張し血管が収縮します。血管が細くなるので血液の流れが悪くなります。
温かい血液がまわらず、さらに「冷え」が加速してしまう悪循環。
筋肉が緊張している状態がクセになってしまい、こむら返りが起きやすいです。
②人の体は36~37℃を維持できるようになっています。
けれど、冷えや血行不良の状態が続くと、体温が通常より下がってしまいます。
慢性的に体温が36℃以下が続く場合を「低体温」といいます。
低体温によって交感神経が優位になり続けると、筋肉や血管が収縮し続け、こむら返りが起こりやすくなります。
③筋肉には、強い負担がかかった時に断裂を防ぐために極度な伸び・縮みにブレーキをかけるセンサーがあります。
筋肉疲労の状態が続くと、そのセンサーもつねに過敏な状態となり、誤作動を起こしやすくなります。
ちょっとした運動や姿勢の変化で過剰に反応し、必要以上に筋肉を収縮させてしまい、こむら返りが起きやすくなります。
④筋肉のセンサーが誤作動を起こす理由に「ミネラルバランスの乱れ」があります。
神経の伝達や筋肉の収縮に関わっているマグネシウム、ナトリウム、カリウムなどのミネラルが不足するとこむら返りが起きやすくなります。
スポーツをしたときは大量の汗とともに多くのミネラルを排出してバランスを崩しやすくなります。
下痢が続いたり、利尿剤や降圧剤、ホルモン剤などの薬剤もミネラルバランスがくずれる原因になることがあります。
*就寝中に起こりやすいのはなぜ?
・就寝中は筋肉のセンサーの働きが低下すること
・就寝中はずっと布団の重みでつま先が下がった状態になること
が関係していると考えられています。
つま先が下がるとふくらはぎの筋肉が少し縮んだ状態になる。
➡加えて、なんらかのきっかけで筋肉のセンサーが働かず、筋肉がさらに収縮する。
➡その結果、こむら返りが起きる。
以下の応急処置をすることで、激痛やけいれんが治まります。
また、こむら返りの痛みや違和感が残りにくくなり、くり返して起こることを予防できます。
一気に無理やり伸ばさず落ち着いて、ゆっくりと行ってください。
こむら返りが起こったら、できるだけすぐに行いましょう。
収縮しているふくらはぎの筋肉を伸ばします。
ふくらはぎの筋肉がけいれんし、足首を自由に動かすことができないので、手を使って足首を曲げてあげます。
❶膝を伸ばして座ります。
➋足のつま先を自分の体の方へ曲げてふくらはぎの筋肉を伸ばします。
反動は付けません。痛みの少ない方向を見つけながら深くゆっくりと伸ばすようにします。
この状態を保ち痛みやけいれんが治まるのを待ちます。
緊張して縮んでいく筋肉をできるだけ早く伸ばしてあげることで、その後、痛みが残ってしまうのを防ぐことができます。
周りに人がいる場合は、ほかの人に足首を体側に押してもらうのも効果的です。
背中の大きな筋肉「広背筋」やわき腹の筋肉「腹斜筋」でこむら返りが起きた場合の応急処置です。
椅子を使って背面の筋肉全体をストレッチしましょう。
❶両足を肩幅程度に開いて椅子の後ろに立ちます。大きく息を吸ったら前屈し、椅子の背もたれに両手でつかまります。
➋息をゆっくり吐きながら頭を下げ、背中を丸めるイメージでゆっくりと上げていき、背中~わき腹全体を伸ばします。息を吸いながら、ゆっくり①にもどります。
痛みが治まるまで、❶と➋を繰り返してください。
芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)は、こむら返りに効くと知られる漢方薬です。
病院では、健康保険が適用されます。医師に相談してみてください。
筋肉組織細胞のイオンバランスを正常化し、過剰な神経伝達を遮断することで、過剰な筋肉の収縮を抑え、こむら返りを改善すると考えられています。
こむらがえりが起きたときに飲むと10分ほどで、激しい痛みを素早く和らげる鎮静効果が期待できます。
日中に筋肉をたくさん使ったときは、就寝前に服用するのも、こむら返りの予防効果がありおすすめです。
⑴温活
身体を温める活動「温活」で温かい血液をめぐらせましょう。
温かい血液がめぐると、筋肉の収縮に関わるミネラルが必要な場所に届けられ、筋肉のセンサーも正常に働きます。
副交感神経が優位になる➡筋肉や血管の緊張がゆるむ➡こむら返りが起きにくくなる
温活で、こむら返りの起きにくい体質に変えていきましょう。
・お湯の温度は温度は38~40℃が適しています。副交感神経が優位になり、長湯をしても負担にならない温度です。
・時間は10分以上、できれば30分程度がおすすめです。ゆっくり時間をかけて温まると、体温が下がりにくくなります。
・布団の中に入れて温めて入眠すれば、「冷え」によって起こる睡眠中のこむら返りを防いでくれます。
・日中も、じっと座っているときにも太ももなどを温めると効率よく体温が上がり、こむら返りが起きにくくなります。
体を効率よく温めることができるポイントがあります。
それは、首、二の腕、手首、腰からお尻、お腹、太もも、足首です。
腹巻き、レギンス、ネックウォーマー、手袋、レッグウォーマー、靴下の重ね履きなどで温めポイントを中心に衣服で調節しましょう。
足先にある血液を重力に逆らって心臓に戻すポンプ役を務めているのがふくらはぎの筋肉です。
重要な働きを担っているふくらはぎの筋肉も、重力や生活習慣、姿勢やクセなどによって少しずつねじれが生じます。
ねじれてしまった筋肉を元に戻すケアが大切です。
ふくらはぎをほぐして血流を促しましょう。
①足首(アキレス腱付近) から膝に向かって、両手で包み込むようにゆっくりさすり上げます。
②ふくらはぎ全体をっこちよい強さでもみほぐします。
③最後にもう一度足首から膝へ向かって流すようにさすります。
縮こまった足指や足裏の筋肉をほぐし、足本来のアーチを取り戻すことによって、足のねじれの改善にも効果があります。
また足の末端にある筋肉がしっかり動くようになるため、血行が促進されます。
①足指開き:足指を手で広げます。軽く広げるだけで血のめぐりがよくなります。
足の指を一本ずつつまんで引っ張ったり、外側へ広げたり、上下に動かしたりします。それぞれ3秒ほどかけてゆっくり行います。
②足指グーパー運動:足の指でグーパーをします。足指まで血をめぐらせましょう。
グーのときは第一関節からしっかり曲げます。
パーのときは足の指がすべて離れている状態を目指します。
初めはうまくできない人も、毎日10回グーパーするだけでだんだんスムーズに動くようになります。
今回ご紹介した内容からもわかるように、こむら返りは単なる筋肉の疲れだけでなく、日頃の生活習慣や体の状態が大きく関係しています。
十分な水分補給や、適度の運動、冷えの改善やマッサージなど、毎日の小さな積み重ねが予防につながります。
それでもこむら返りを繰り返す場合や、症状が強い場合は、体のバランスや筋肉の緊張、血流などが影響していることもあります。セルフケアだけでは改善しないときは、医療機関や専門家に相談することも大切です。
当院でも、筋肉や関節の動き、姿勢や体のバランスを整えることで、こむら返りが起きにくい体づくりをサポートしています。気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください☺
【参考文献】川嶋 朗「こむら返りは自分で治せる!」宝島社